フランスのフローラルアートとは…

フランスのフローラルアートとは…

7つのポイント

フランスフローラルアート協会(AFAF)が考える、“7つのフランスのフローラルアートの
ポイント”をご紹介します。

これらは、パリや東京のセミナーで会長ムリエはじめフランス人講師がレッスン中にお伝え
していることを纏めたものです。

よろしければご参考までに…。

 

1)個性を尊重するデザイン

フランスのフローラルアートは、デザイナーそれぞれの個性が溢れるデザインです。
個性を尊重するデザインは、一見するとルールや理論がないように思われますが、決してそうではありません。
物まねや模倣を最も嫌い、個性や独創性にこそ評価が高いというフランスの価値観の表れです。個性の尊重とは、勝手気ままではありません

それは、職能としての高度な技能に培われた造形テクニックをベースにデザイナー個々によって作られています。

この花のデザインに個性をどう加えるかが、フランスフローラルアートを教える指導カリキュラムの中心テーマの一つとなっています。

2)クラシックとモダンが生かされ

フランスの花のデザインの特徴は、トレンド(流行)ばかりを追いかけてはいないこともその一つです。
超モダンなフローラル・オブジェがホテルのロビーに飾ってあるかと思うと、最新流行のファッションに彩られた店の奥に、アンピール様式のアランジュマンが伝統の深みと存在感を強調するように置かれています。
フランスのクラシックな造形は、伝統的な時代様式の特徴を踏まえて作られており、そこにフランス文化の厚みや深さを感じさせます。

中世以降では、ゴシック、フランスルネサンス、ルイ13 /14 世様式(バロック)、ルイ15 世様式(ロココ)、ルイ16 世様式(新古典主義)、アンピール様式(ナポレオン様式、帝政時代)、ロマン主義、アール・ヌーヴォー、アール・デコ、そして現代の花のデザインへと、どれもが魅力ある姿形です。

※AFAFでは現代のスタイルと共に、これらの時代様式を学び、現代に活かすカリキュラムが組まれており、作品づくりの幅を広げることができます。

 

1930年代のアランジュマン

3)花の装飾性を尊重する

[1930 年代のアランジュマン]のように、花の自然性を尊重して作る作品もありますが、フランスフローラルアートの特徴の一つに、花が本来持っている「美しさ」「豪華さ」「華やかさ」「可愛さ」「優しさ」などの装飾性を生かすデザインがあります。

そのために花をまんべんなく散らして配置するのではなく、同じ花同志をグループにまとめながら配置して、それぞれの花の装飾的な特徴をアピールさせます。

この方法は、花をマッスとして扱うという考え方にも通じています。

特に、フランスの造形にはこの特徴がよく現れています。一輪ずつでは目立たない花も、マッスで用いることで、華やかな印象を与えることが出来ます。

 

4)花を踊らせるように

よほど特殊な造形は別にして、ひとつの作品を作り上げる時に花扱いで注意すべきことの一つに、fairedanser les fleurs 「花を踊らせるように」という注意があります。

それは花をまんべんなくびっしりと埋めるように配置するのではなく、花どうしがダンスをするように、くっつき過ぎず離れすぎず適度な間合いを取るように配することを意味しています。

このテクニックは、言うは易く行うは難しですが、正しい訓練が最上の近道です。
写真はブーケ・ドゥ・マリアージュ
(ブライダルブーケ)の一つですが、花の顔、動き、姿形など、花の個性や特徴を全て活かことで全体のフォルムを作り上げています。

 

5)丸い花束は、パリの花束

花束の基本的な形は、丸い花束です。
少女が野原で花を摘みながら、自然に手の中で束ねて出来上がった、そんな素朴で可愛らしい花の束が丸い花束の始まりといわれています。

フランスのフローリストの仕事で、ヴィオレットの花と葉だけで作る花束も昔からある丸い花束の一つです。

この花束には、丸い形状の花がお似合いです。でも形はますます平凡なものになります。 
そこで単純さを補う隠し味に「香りのよい」
花を
12 種類必ず入れて作るのもフランス風といえるかもしれません。

そんな花束を小脇に抱えて恋人の元へと急ぐあなたを想像してください。

 

6)葉のモダンな使い方

フランスのフローラルアートは、葉ものにも添え物以上の活躍をさせます。花自体に加工を施すことを好みませんが、葉に加工を加えてデザイナーとしての個性やオリジナリティを表現します。

丸めて直線の造形を強めたり、何枚も重ねて面と層を固定します。そのために、あえてホチキスや両面テープも使います。

また、花束の束ね位置より下に出ている茎を隠すために幅広の葉を逆に配置することもあります。これは、花束が束ね部分から上の花たちによって出来ているのではなく、茎部分も含めて一つの作品だとの考えから、裏方のメカニックス部分も装飾するというものです。

 

7)花の配色の妙

フランスのフローラルアートの特徴として、誰もが指摘することに「配色の個性的な美しさ」があげられます。そこには芸術の都パリだからこそ、と思わせる色使いです。
さすが印象派を始めとする多くの画家たちを生み出した色への感覚的な伝統が、フローリストの店先に溢れています。

確かに、配色の調和に関する考え方はほとんど私たちと違いはありません。でも「ああ、フランスの」と思わせる配色は何なのか。ひとつだけお教え出来ることは、「花は一つの色だけで咲いていない」ということ。

1 輪の花の中に含まれる幾つもの色を繋げることで、微妙で深みのある、華やかでシックな配色が生まれます。

他にもまだ幾つもある配色の秘儀は、セミナー等で学ばれてください。